アレルギーで犬が下痢になる原因とは?回避する対処法は?
犬が食物アレルギーと診断された飼い主の方に、「治療しているのにまだ下痢気味。原因がよく分からない」「アレルギー対応フードを食べさせてるけど、下痢が止まらない」といった悩みはありませんか?
病院できちんと処方されたアレルギー対応のドッグフードを食べさせていれば、アレルギー症状は改善の方向へ向かうと思います。
しかし、犬によっては「逆に下痢が悪化した」「下痢が全然改善されない」といった症例もよく見かけます。
その理由としては、「診断されなかった別のアレルギーの可能性」「下痢の原因はアレルギー以外にもある」といったことが考えれます。
現代の医療技術をもってしても、アレルギーに関しては完全に解明されていません。
食物アレルギーと他の病気とを複合的な要因を診断しながら、原因を探っていくしかないのです。
と、不安を煽るようなことを書きましたが、とにかく愛犬の下痢が続いていると心配ですよね。
そんな心配をできるだけ解消するべく、アレルギー持ちの愛犬が下痢になる原因と、下痢を回避するための対処法を合わせてまとめてみました。
犬が下痢になる主な原因は?
そもそも犬は下痢になりやすい動物とされています。
ちょっとした些細なことが原因で、頻繁に下痢を引き起こしてしまうこともあります。
【下痢を起こす主な原因】
- ストレス
- 環境の変化(季節・生活など)
- 食べ物
- 病気
特に一過性の下痢ではなく、「継続的に続いている」「止まらない」といった場合は、病気や食べ物が原因である可能性が高いです。
食物アレルギーと診断された犬であれば、普段とは違うアレルギー対応した餌(ドッグフード、手作り)に変えていると思いますので、なおさら食べ物が疑わしいと考えられます。
アレルギーを避けても愛犬が下痢になる2つの理由
病院で診断されたアレルゲンを避けているはずなのに、なぜ下痢になってしまうのでしょうか。
下痢になる原因としては、食物アレルギーの症状である皮膚の炎症によって2つの理由が考えられます。
- 【皮膚の炎症もあり】診断されていないアレルギーがある
-
下痢以外に皮膚の炎症などの症状も改善されていない場合は、診断されていない別のアレルギーに反応している可能性が高いです。
冒頭でも書きましたが、犬のアレルゲンを正確に診断することが難しいとされています。
処方されたドッグフードでも、原材料には他のアレルゲン食材が含まれていることもあるのです。アレルゲンが含まれている食べ物は大きく分けると「肉類・乳類・穀物」です。
現状、食べさせているドッグフードの原材料を一度確認して、主原料(肉・魚)の違うドッグフードや穀物不使用(グレインフリー)に変えてみることを検討してみてください。
注意点はドッグフードを変える際に自己判断はせず、必ず獣医さんと相談すること。
- 【皮膚の炎症はなし】アレルギー以外の食材が原因
-
皮膚の炎症などの症状は改善されてきたけど下痢だけが治らない場合は、アレルゲン以外の食べ物が原因だと考えられます。
こちらで挙げた原因を参考に、食べさせているドッグフードや手作りに使う食材を一度確認してみてください。食中毒
細菌や病原菌に汚染された食べ物を食べることで下痢などの症状を引き起こします。
原因になりうるものとしては、食材のカス、ゴミ、手作り食、生の食べ物、汚染されたドッグフードなどが挙げられます。乳糖不耐症
乳糖の消化不良によって下痢を引き起こします。
犬は成長すると乳糖の消化するための酵素(ラクターゼ)が減少するため、消化不良を起こしやすくなります。
牛乳はNG。犬用ミルクでも負担になるので、下痢の症状がある場合は避けておいたほうが良いです。穀物などの消化不良
穀物などの食物繊維が多く含まれている食べ物によって、消化不良を起こします。
犬の腸は短いため、穀物のような消化に時間がかかる食べ物はうまく消化できません。
また、穀物を食べ続けることによって、穀物アレルギーを発症するリスクもあります。【ドッグフードによく使われる原材料の表記名】穀類(とうもろこし、とうもろこし粉、コールグルテン、コーングルテンミール、コーンフラワー、小麦粉、小麦全粒粉、小麦ふすま、米粉、パン粉)、豆類(おから、脱脂大豆、大豆ミール)、でんぷん、セルロース
添加物
ドッグフードに含まれている着色料や保存料、酸化防止剤などの人工添加物によって下痢を引き起こします。特に安いドッグフードには多く含まれているので、必ず原材料は確認しておいてください。
【ドッグフードによく使われる原材料の表記名】酸化防止剤(BHA、BHT、没食子酸プロピル)、保存料(ソルビン酸K)、発色剤(亜硝酸ナトリウム、亜硝酸Na)、着色料(二酸化チタン、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号)
特定の食べ物
犬にはあまり食べさせてはいけない、特定の食べ物というのがあります。
少量なら問題ないものもありますが、成分によってはお腹をゆるくすることがありますので、下痢が正常に戻るまでは避けておきましょう。
下痢を避けるための3つの対処方法
- 1.アレルゲンを避ける
-
基本的なことですが、アレルギー反応のあるアレルゲンを含む食べ物は避けることです。
原因のアレルゲンを摂取している限りは、下痢も皮膚の炎症も改善されません。
アレルギー反応のない食べ物でもしばらくは要注意。
食べ続けることによって、突然アレルギーを発症することもありますので、普段から体調はチェックしてあげてください。
- 2.穀物不使用(グレインフリー)のドッグフードに変える
-
穀物は食物アレルギーにもなりやすく消化不良も起こしやすいので、下痢が改善されるまでは穀物不使用のドッグフードをおすすめします。
市販されている安いドッグフードは、主原料が穀物になっている場合が多いため、穀物量の多いフードだけは避けてください。
穀物が使われていないドッグフードには「穀物不使用(グレインフリー)ドッグフード」といった表示がきちんと記載されています。
- 3.新しいフードは少しずつ与える
-
よく見かけるのですが、新しいフードに切り替える時に全部の餌を一気に変えてしまう飼い主の方がいます。
餌を一気に変えてしまうと、下痢や嘔吐の原因になることもあります。
犬にとってはストレスと身体に負担がかかるため、少しずつ切り替えてあげてください。
【まとめ】下痢はアレルギーからだけではなく、ほとんどの原因が食べ物
下痢が続いてしまうのは、食物アレルギーによるものなのか、ドッグフードによるものなのか判断がなかなか難しいです。
しかし、どちらも共通するのは食べ物が原因。
食べ物の特定は難しく、どうしても時間はかかりますが、獣医さんと相談しながらひとつひとつ試すことで原因を探してください。
愛犬が下痢もなく、アレルギー症状もなく、健康的な体調を維持するためには、日々の食べている物の管理をすることが大切です。