子犬の食事量は何g?犬種と月齢から正しい量を徹底確認!
初めて子犬をご家庭に迎えられた方や久しぶりに子犬を飼われる方のなかで、こちらのような悩みはないでしょうか?
- 餌をあげすぎてないかな?
- 与えた餌の量では足りないことないかな?
- ドッグフードに書かれてる餌の量がよくわからない
- ペットショップに言われた量と違う。どれが正しいの?
子犬の食事量って難しいですよね。
犬の様子を見ても分からないため、本当に適切な量をあげれているのか不安になると思います。
インターネット上でも犬の食事量には様々な意見があり、一体どれが正しいのか迷ってしまいますが、落ち着いて考えてみると簡単なことです。
食事量はおうちの愛犬に合わせること。
以上です。
もちろんそれだけでは全く分からないですよね。
そこで、こちらの記事では「おうちの愛犬に合わせた正しい食事量」が簡単に出せるように解説していきたいと思います。
子犬の食事量によって栄養不足・肥満につながる
いきなり不安を煽るようなことを言いましたが、当然ながら子犬の食事量が足りていなければ栄養不足、逆に多すぎると肥満につながります。
特に身体が小さい子犬のうちでは、たったの数gの差で餌の多い少ないが変わります。
子犬の時から食事量が間違っていると、将来的な健康や体質にも関わることがありますので、餌を与え始める前にきちんと確認すること。
飼い主が意識して過不足のない、適切な食事量をあげることが大切です。
「子犬は成長期だから食べれるだけ食べさせてもいい」「お腹いっぱいにしてあげないとかわいそう」という意見もあったのですが、どうでしょうか。
すぐに影響はないと思いますが、成犬になってから餌を少々食べすぎてしまう子になるかもしれません。
規則正しい食事量を子供のうちに考えてあげる必要性は、人間も動物も同じだと思います。
餌の量は犬種・月齢・ドッグフードによって確認できる
食事量の計算なんて難しそう。。
と心配される方もいるかもしれませんが、計算と呼べるほどのこともなく、誰でも簡単に適切な餌の量を出すことができます。
子犬の食事量が決まる要素はたったの3点です。
- 犬種(超小型犬〜大型犬)
- 月齢(生後何ヶ月)
- ドッグフードの種類(カロリー)
上記の3点をおうちの子犬に合わせれば、簡単に食事量を確認することができます。
次項から分かりやすく手順に沿って解説していきたいと思いますので、おうちの子犬に合わせて確認してみてください。
愛犬の食事量はどれくらい?簡単に確認できる2つの方法
こちらが本題になりますね。
「うちの子犬は具体的にどれくらいの食事量が必要なの?」と気になっている方が、ここまで読んでくれていると思います。
では、簡単に食事量が確認できる2つの方法を解説していきますね。
- 【方法1】ドッグフードに書かれている給与量(給餌量)から確認
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ドッグフードの袋には、成犬時の体重を元にした「1日あたりの給与量(給餌量)」がきちんと記載されています。
記載方法はメーカーで様々ですが、基本的には犬の月齢・体重に合わせた餌の量が書かれていると思います。つまり、月齢・成犬時の体重からみたドッグフードの給与量が、おうちの子犬に合わせた適切な食事量になるということですね。
ドッグフードメーカーによってカロリーや栄養バランスが異なるため、給与量はそれぞれのご家庭にあるドッグフードで確認してみてください。例としてですが、カナガンドッグフードに記載されている給与量はこちらです。
【カナガンドッグフードの1日の給与量(g)】(公式サイトより)
体重(kg) / 月齢 2-3ヶ月 4-5ヶ月 6-7ヶ月 8-9ヶ月 10-11ヶ月 12-13ヶ月 14-15ヶ月 16-17ヶ月 トイ(1~5kg) 65 85 95 85 65 小型(5~10kg) 145 165 180 165 155 145 中型(10~25kg) 215 235 255 255 235 225 215 大型(25~45kg) 385 405 425 440 425 405 395 385 雑種(ミックス)犬の場合は少し計算すれば、成犬時の体重が予測できます。
成長度= 現在の体重(ポンド)÷ 週齢
成犬時の体重(ポンド) = 成長度 × 52(100g = 0.220ポンド / 1kg = 2.205ポンド)
※ 体重の単位がポンドですが、「kg ポンド」でGoogle検索すれば簡単に変換できます。
- 【方法2】現在の体重と月齢から食事量を計算
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ドッグフードの給与量を参考にする方法以外に、子犬の現在の体重と月齢から「1日に必要なカロリー」を計算すれば、愛犬に合わせた具体的な食事量(g)を確認することができます。
計算方法はわかりやすいように例を挙げながら、順に解説していきます。まず、犬の必要なカロリーは、「安静時のエネルギー要求量(RER)」と「1日あたりのエネルギー要求量(DER)」を計算することで分かります。
この 「1日あたりのエネルギー要求量(DER)」が、犬にとって1日あたりに必要なカロリーの目安となります。RER = 体重 × 30 + 70(kcal/日)
DER = RER × 係数(kcal/日)【タイプ別の係数表】
子犬(生後4ヶ月未満) 3.0 授乳中 4.0〜8.0 子犬(生後4〜9ヶ月) 2.5 避妊・去勢なし 1.8 子犬(生後10〜12ヶ月) 2.0 避妊・去勢済 1.6 妊娠中(1〜4週) 2.0 高齢 1.4 妊娠中(5〜6週) 2.5 肥満傾向 1.4 妊娠中(7〜8週) 3.0 おうちの子犬の「1日あたりに必要なカロリー」を計算できたら、お持ちのドッグフードのカロリーで割ると餌の量(g)がわかります。
例として「生後3ヶ月の子犬(3kg)」に必要カロリーとドッグフードの量まで計算してみました。
ドッグフードの「100gあたりのカロリー」は、ご家庭にあるドッグフードに合わせてください。【例】生後3ヶ月の子犬(3kg)の場合(ミニチュアダックスフンド:成犬時5kg〜9kg)
RER = 3(kg) × 30 + 70 = 160(kcal/日)
DER = 160(kcal/日) × 3.0 = 480(kcal/日)
この子犬に必要なカロリーは1日あたり「480kcal」カナガンドッグフード(100gあたり361.25kcal)の給与量
480(kcal) ÷ 3.6125(kcal/g) = 133g
必要なカロリーを摂取するには「1日に133g」与えればOK
確認した食事量を与え始めた際の注意点
紹介した方法で確認できた餌の量は、あくまで目安です。
おうちの子犬の体質によって食事量は個人差があるため、日々の健康状態から量を少しずつ調節していく必要があります。
- ウンチの質や身体を触って健康チェック
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まず、計算した食事量を子犬に食べさせ始めましたら、毎日身体に何かの症状がでていないか、様子をみてあげてください。
犬は顔や表情をじっくり見ても、体調に問題があるかどうか分かりにくいですが、トイレに排便されたウンチの質や身体を直接触ってみることで、健康状態の確認ができます。こちらでは簡単ですが、健康チェックとして判断できる内容をまとめてみました。
【ウンチの質からみる健康チェック】
コロコロ、ひび割れるくらい硬い 食事量や水分が足りない、運動不足 など 触るとぷにっとするくらい 健康的なウンチ ベタつくくらい軟らかい 食事量や水分が多い、食事が合わない など 【身体からみる健康チェック】
触らなくても背骨・肋骨が浮き出て見える 痩せすぎ 少し触れば背骨・肋骨が分かる 適切 触っても背骨・肋骨が分かりづらい 太りすぎ 体型からわかる健康診断として、分かりやすいイラスト画像がありましたので、こちらも健康チェックの参考にしてもらうと良いと思います。
出典元:環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~」
- 健康チェックから食事の量を調節
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ウンチの質や身体の状態から、もし先に挙げた症状などが出ている場合は、与えている食事量を見直してみてください。
食事量の調節した後もまた健康チェックを続けて、おうちの子犬に合わせた適切な食事量にしていきましょう。もし、食事量を調節しても症状の変化がない、むしろ悪化しているという場合は、かかりつけの獣医さんに一度相談してみてください。
その場合は食事量ではなく、別の原因や病気の可能性もあります。
餌の量を量るときにおこりやすいQ&A
インターネット上でよく見かけた、餌の量を与える際の疑問がありましたので答えてみたいと思います。
- Q餌の計量はカレースプーンでもいい?1杯は何gですか?
- Aカレースプーンに限らず、計量スプーンも「g」ではなく「ml・cc」です。
また、スプーンの大きさはバラバラですし、1杯の感覚は人にもよって山盛りなのかすり切りなのかも分かりません。
- Q餌の量は計量カップで確認できませんか?1杯は何gですか?
- A計量カップでドッグフードの食事量を量ろうとしている方が多くみられました。
間違えてはいけないですが、計量カップも「g」ではなく「ml・cc」です。
計量カップでも正確には量れませんので、おすすめしません。
- Q「1g = 1cc」じゃないの?
- A水などの液体であれば正しいのですが、ドッグフードなどの固体は比重が異なります。
パチンコ玉1つとドッグフード1粒では大きさが同じでも重さが違いますよね?
そのため、ドッグフードを量る場合は「1g = 1cc」が当てはまりません。
正確な食事量を与えるためにも、計量器は用意してあげることをおすすめします。
- Qドッグフードに書かれている給与量がよく分からない
- Aドッグフードに記載されている給与量が当てはまらない、よく分からないといった場合、どれだけあげればいいのか困ってしまいますね。
そういった場合では、「犬が1日に必要なカロリー」から食事量を計算することができます。少し計算しないといけないですが、子犬の現在の月齢と体重が分かれば、簡単に出せますので安心してください。
子犬は食事量だけではなく回数にも気をつけて
子犬の成長に必要な栄養素を与えるために食事量は大切なんですが、量だけではなく食事回数にも注意してください。
子犬は消化器官や免疫がまだ未熟ですので、身体の負担を減らすためにも食事回数を多くする必要があります。
食事回数を分けてあげないと、嘔吐や消化不良による下痢を引き起こす恐れもあるためです。
人間の赤ちゃんも1日に何回かに分けてミルクをあげますよね。
子犬の月齢にもよりますが、最低でも朝・昼・夜の3回に分けることをおすすめします。
子犬の食事回数について、詳しいことは【保存版】子犬の正しい食事回数は?生後1ヶ月から月齢別まとめ!の記事でも分かりやすくまとめましたので、こちらも参考にしてみてください。
子犬に適切な食事量を食べさせることで、健康的に育ててあげましょう
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では「子犬の食事量」をテーマに解説してみましたが、少しでも気になった方に参考程度でもお役に立てられましたら嬉しく思います。
では、この記事の要点をまとめてみます。
- 月齢と犬種(体重)で食事量を決めてあげる
- 健康チェックを毎日必ず行う
- 子犬の体調をみて食事量は調節
- 食事量だけでなく回数にも気をつけて
人間でも動物でも健康には餌の量のバランスが大切ですね。
成長してから肥満体質にならないように、子犬の時から食事量を考えてあげてください。
もちろん、食事量だけでなく栄養バランスや散歩などの運動も愛犬の健康には欠かせませんので、愛情をもって育ててあげてください。