犬はとうもろこしを食べても安全?アレルギーの心配は?【ドッグフードの原材料】

「とうもろこし大好き!」というワンちゃんも多いのではないでしょうか。
とうもろこしは甘くて美味しいので、とうもろこし好きなワンコは喜んで食べてくれますよね。
とはいえ、「犬にとうもろこしを食べさせても本当に大丈夫かな?」と不安に感じる方もいると思います。
結論から言いますと、
犬にとうもろこしを食べさせても大丈夫です。
ただし、とうもろこしを与える際には注意点がいくつかあります。
とうもろこしによる死亡事故の事例もありますので、愛犬に食べさせる前に一読してもらえると幸いです。

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注意してあげればとうもろこしは栄養もあって、ワンちゃんの健康にも良い食材ですよ!

犬にとうもろこしを食べさせるメリット

とうもろこしはビタミンB1、B2、Eなどのビタミン群、リノール酸、食物繊維、カリウム、葉酸などの各種ミネラルがバランスよく含まれています。
犬にとってとうもろこしを食べるとどのような効果があるのか、簡単にまとめてみました。

とうもろこしの成分表
ゆでたとうもろこし100gあたりの成分(五訂日本食品標準成分表)

エネルギー 99kcal カリウム 290mg
たんぱく質 3.5g カルシウム 5mg
脂質 1.7g マグネシウム 38mg
炭水化物 18.6g リン 100mg
食物繊維 3.1g 0.8mg

【ビタミン】

カロテン 133mg ナイアシン 2.2mg
B1 0.12mg B6 0.12mg
B2 0.10mg 葉酸 86mg
E 1.0mg パントテン酸(B5) 0.51mg
食物繊維が豊富なので便秘予防に効果あり

とうもろこしは食物繊維を豊富に含んでいます。
食物繊維は腸内を掃除してくれるので、うまく摂取することで便秘予防に役立ちます。

食物繊維:排泄を促し、腸内細菌をサポートして便秘を防ぐ
カリウムで高血圧・腎臓病予防

カリウムは利尿作用があり、不要な塩分を排出してくれる効果があります。
高齢犬に起こしやすい、高血圧や腎臓病の予防にも期待できるとされています。

カリウム:血圧降下、筋肉の機能調整
ビタミンでエネルギーの代謝を促進してくれる

とうもろこしにはビタミン群がバランスよく含まれています。
ビタミンは身体の代謝や免疫力をサポートしてくれるので、犬の健康維持に重要な栄養素です。

ビタミンB1:糖質をエネルギーに変える
ビタミンB2:エネルギー・脂質の代謝の促進、粘膜保護
ビタミンB5:抗ストレス・自律神経作用
ビタミンE:細胞膜の酸化・老化防止
葉酸効果で成長期・妊娠している犬に最適

葉酸は発育促進に効果があり、犬の成長にはとても必要な栄養素。
特に妊娠している犬は葉酸を大量に必要としているので、積極的に摂取することが大切です。

葉酸:赤血球の生産、発育促進

犬にとうもろこしを食べさせるときの4つの注意点

犬にとうもろこしを食べさせるときの4つの注意点

基本的にとうもろこしは犬に食べさせても安全ですが、食べさせるときに注意すべき点があります。

注意点を簡単にまとめてみました。

【注意点1】やわらかく茹でて潰してあげる

調理していない生のとうもろこしは食べさせないでください。
生の硬いままだと腸内で消化不良を起こし、嘔吐や下痢などの原因になります。
塩などは入れずお湯で柔らかくなるまで茹でて、黄色の実だけを潰してから食べさせてあげてください。

【注意点2】食べ過ぎはNG。与えても良い量は?

とうもろこしは食物繊維が多く、犬が食べすぎると嘔吐や下痢などを引き起こすことがあります。
目安としては一度に与える量は10〜15粒程度に抑えておきましょう。
また、とうもろこし(スイートコーン)は糖分が多いので、普段から食べさせすぎていると肥満の原因にもなります。
どんな食べ物でも食べ過ぎは良くないということですね。

【注意点3】とうもろこしアレルギーには注意

とうもろこしは食物アレルギーを引き起こしやすい穀物といわれています。
とうもろこしを食べさせて体調に変化がなければ問題ありませんが、食べ続けているうちにアレルギーを発症することもあります。
とうもろこしを食べさせた後は、愛犬の体調に変化がないか必ず様子をみてあげてください。

【注意点4】とうもろこしの芯だけは犬に絶対食べさせてはダメ!

愛犬にとうもろこしを食べさせるときにを芯のまま、かじらせているのをよく見かけます。
とうもろこしの芯は食物繊維の塊です。
犬の体内で消化することができないため、誤って飲み込んでしまっていると大変危険です。
少量であれば大丈夫かもしれませんが、もし消化されていないとうもろこしの芯が腸に詰まり、「腸閉塞」を引き起こしていると最悪の場合、死に至ります。
実際にとうもろこしの芯を誤って飲み込んでしまい、愛犬の死亡事故が起きています。

ソフィー

飼い主のジョアンは2歳のサフィーと散歩中でしたが、気付かないうちにサフィーはトウモロコシの芯を食べていました。
特に様子が変わることなかったのですが一週間後、止まらないくらい嘔吐し始めました。
最初、ジョアンと夫はソフィーは中毒だと思っていました。
診断した獣医師はサフィーの胃に何かがあると感じ、即時手術しました。
しかし、サフィーは出血に抵抗できず同日に死亡。
トウモロコシの芯は非常に硬いため、腸内に詰まって腸管を壊し、重度の敗血症によってサフィーの死を引き起こしたと報告されています。
飼い主のジョアンはサフィーと同じ状況を他の犬にも繰り返されることを防ぐために、このことを公開することに決めたと話しています。

引用元:「Dog died after eating corn on the cob that ripped its insides to shreds」

とうもろこしの芯を食べてしまった場合は、念のため動物病院で診断することをおすすめします。特に嘔吐や下痢など異常がみられたときは、早急に診断してもらってください。

腸閉塞とは?
異物を口から飲み込み、腸に詰まってしまう症状のこと。嘔吐、食欲低下、元気低下がみられ、閉塞のまま時間が経つと消化管の懐死や穿孔(穴があく)を起こし命に関わります。
【注意まとめ】とうもろこしは手作りのトッピング程度が最適
【注意まとめ】とうもろこしは手作りのトッピング程度が最適

とうもろこしの黄色い実の部分(正確には種)だけでも、ワンちゃんには消化によくないので工夫が必要ということですね。
とうもろこしを与えるときの注意点は、できるだけ消化をよくするために茹でて擦り潰してあげることが基本。
また、トッピングする程度の量に抑えておけば食べさせすぎることも防げますし、手作りメニューとして色どりも鮮やかになるのでおすすめですよ。

ドッグフードの原材料にしているとうもろこしは別物

ドッグフードの原材料にしているとうもろこしは別物

ドッグフードの原材料としてとうもろこしが使われていることが多いのですが、スーパーに並んでいるようなとうもろこし(スイートコーン)は使われていません。
ドッグフードに使われるとうもろこし特有の注意点がありますので、参考にしてみてください。

ドッグフードのとうもろこしは野菜ではなく穀物
食用のとうもろこし = 野菜
ドッグフードのとうもろこし = 穀物

私たちが普段食べているのはスイートコーンという品種です。
食用として糖分を多く含んでいて、甘く食べやすいように品種改良されています。
ドッグフードに使われているとうもろこしは「デントコーン(デント種)、フリントコーン(フリント種)」と呼ばれる品種。
成長過程で糖分がでんぷんに変わってしまうので、甘さもなくそのまま食べることには適さないですが、主に家畜の飼料などに使われています。
スイートコーンは野菜に分類されますが、デント・フリントコーンは主な成分がでんぷんのため「穀物」に分類されています。
野菜であれば問題ないのですが、犬は穀物の消化は苦手としているので、とうもろこしの含有量には注意が必要です。

とうもろこしを多く使用しているドッグフードはNG

ドッグフードの原材料を確認して、とうもろこしを主原料もしくは、肉類より多く使用されているドッグフードは避けてください。
とうもろこし自体の栄養素は問題ありませんが、とうもろこしなどの穀物(植物性タンパク質)を主原料としてしまうと肉や魚(動物性タンパク質)をエネルギーとしている犬には栄養バランス的に合っていません。
また、とうもろこしを主原料・肉類より多く使用しているドッグフードは、激安のドッグフードが大半です。
一概には言えませんが、肉類より低コストのとうもろこしを多く使うことで、カサ増ししている可能性があります。

【まとめ】注意していれば、愛犬にとうもろこしを食べさせても大丈夫

【まとめ】注意していれば、愛犬にとうもろこしを食べさせても大丈夫

きちんと調理して、与える量さえ注意していれば愛犬にとうもろこしは食べさせても大丈夫です。
とうもろこしの芯だけは危険なので、蓋つきのゴミ箱に捨てるなど工夫をして、愛犬が届くところには置かないようにしてください。
とうもろこしの栄養素は優秀ですが、ドッグフードの原材料に含まれているものは少し違うということは知っておくと良いですね。

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最後まで読んでいただきありがとうございます(*´ω`*)
どんな食べ物にしても食べさせすぎないことが、愛犬の健康には大切です。

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